かながわの漁港をめぐる

小柴漁港

百種類もの魚介が水揚げされる底引き漁を中心に横浜で一番元気な漁師町

八景島を見晴らす小柴漁港は、横浜市内で最も漁が盛んだ。午後の荷捌き場は大忙し。
早朝出航した漁船が次々に戻って来るからだ。
午後2時30分、柴支所長・宍倉昇さんの昇神丸が着岸。桟橋で軽トラックを横付けして待つ奥さんと、漁に同行した息子さんが手際良く獲物入りクーラーボックスを荷台に積み込んだ。家族ぐるみの作業だ。宍倉さんは船底の水槽で泳ぐ魚を桶に移しながら、「今日は猿島あたりまで行きました」と教えてくれた。
彼らの漁法は「底引き網漁」。漁船の後ろに吊った袋状の網を海底で引きずるのだ。特に小柴では「タチ網」という入口をタテヨコに大きく開いた網を用いる。すると海底だけでなく、様々な深さで泳ぐ魚が網に入り込む。
荷捌き所の仕分け台に広げた昇神丸の獲物はマダイにマコガレイ、マゴチ、フグ、アナゴ、スミイカにクルマエビもある。中でもタチウオは小柴の主力、キラキラ輝いている。
続々と並ぶ種類の多さに目を見張っていると、
「この漁港では100種類ぐらい水揚げされますよ」と宍倉さん。東京湾の底力に驚き!
横浜の料理人たちをうならせる小柴産の鮮魚たちは、こうして明朝のセリ目指して大急ぎで横浜魚市場に出荷されるのだった。

取材・文/眞鍋じゅんこ(ノンフィクションライター・お魚かたりべ)
撮影/鴇田康則(写真家)

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