かながわの漁港をめぐる

小田原漁港

真夜中の小田原市場へ次々に漁船が相模湾西部の地魚が勢揃い

午前2時過ぎ、小田原魚市場は光と作業音に彩られ、すでに「今日」が始まっていた。やがて定置網漁船が港に戻る。本日は二宮、米神、石橋、福浦、大磯、平塚、岩の7ケ統が水揚げ予定だ。先頭は二宮でサバ大漁!船から次々に降ろされる魚を、岸壁で男たちが手早く仕分けする。朝4時までに4隻の漁船が次々に着岸し、市場は喧噪に包まれた。
床にはトラックで運び込まれた残り3ケ統からの鮮魚が並んだ。小田原名物のアジをはじめ、赤や黄色の珍しい魚もどっさり。圧巻は2隻の漁船が水揚げした10~20kgものキハダマグロが数十尾。これら全部、小田原沿岸の正真正銘の地魚だ。種類と量の多さに絶句した。
午前5時30分、まず活きた魚介のセリ開始。これも刺網漁師や潜水漁師が獲った地物でイセエビにアワビ、ヒラメと豪勢だ。売り物の魚を囲んでセリ人が声を張り上げ、数十人もの買参人が欲しい魚をセリ落としてゆく。
6時、セリの群れは各々の定置網漁船の前に並んだ魚めがけて移動し、さらに興奮を極める。その後、魚は各地の鮮魚店や料理店、それから横浜魚市場などに運ばれる。私たちが相模湾西部のおいしい魚を味わえるのは、真夜中の仕事人たちのおかげなのだ。感謝!

取材・文/眞鍋じゅんこ(ノンフィクションライター・お魚かたりべ)
撮影/鴇田康則(写真家)

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