魚市場ブログ

カンパチの代用魚だった!?スギ

2025年07月14日

「スギ」という魚、聞いたことありますか?
魚に詳しい人でも「名前は知ってるけど見たことはない」という方が多いと思います。それもそのはず。スギは市場での流通がとても少ない魚なんです。

見た目はちょっと変わった感じ。体は細長くてスマート、黒っぽい背中に白い縦の線が一本入っていて、胸ビレは長め。なんだか南国の魚のような雰囲気が漂っています。


「カンパチの代用品」と言われていた時代もあるそうですが、見た目は全然カンパチと似ていません。カンパチは体高があって丸みを帯びたシルエットですが、スギはまっすぐで流線型。知らなければ、まったく別の魚

背ビレにごく小さな棘があるだけで、全体的にはなめらかで柔らかい印象です。棘がピンと立つカンパチやブリとは、この点でも大きく違います。

天然のスギはなかなか獲れず、漁師の間でも狙って獲る魚ではありません。そのため、一般の市場に出回ることはまれです。ただ、近年ではスギの養殖が盛んになってきており、主に業務用として流通するようになってきました。

味のほうはというと、これがなかなかの実力派。身は白く、クセがなくて脂が適度にのっています。特に養殖ものは脂のノリがよく、刺身にするととろっとした甘みがあって美味しいし、ムニエルやソテーにしてもふっくらジューシー。煮つけやフライにしても合う、かなり万能な魚です。

市場で見かけることは少ないですが、もし飲食店などで「スギ」と書かれたメニューを見かけたら、ぜひ試してみてください。知る人ぞ知る、美味しい魚です。

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