魚市場ブログ
見たことない魚「ヒラ」に出会った朝 〜小坪からの追っかけ競り〜
2025年05月01日
今朝も神奈川県逗子市・小坪漁港から、新鮮な魚たちが「追っかけ競り」で入荷されました。
春を感じさせるアオリイカ、脂ののったスズキ、そして天ぷらで人気の穴子など、春の味覚がずらり。市場は朝から活気にあふれていました。
そんな中、競り場の片隅で、ちょっと異彩を放つ魚を発見。
見た目はまるでニシン。でも、発泡スチロール箱には『ヒラ』の文字。
「ヒラ?なんだそれ?」
と気になって、さっそくいつもお世話になっている市場の魚図鑑「ぼうずコンニャク」で調べてみました。
調べてびっくり、「ヒラ(学名:Ilisha elongata)」はなんと分類がコロコロ変わっていた魚でした。
現在はヒラ科だけど、昔はニシン科、さらにその前はイワシ科。
……どこまでニシンの親戚なのか(笑)
見た目がニシンに似ているのも納得です。
この「ヒラ」、実は岡山県では非常にポピュラーな魚で、「骨切り」をして刺身や酢締めにして食べる文化があります。
脂がのった白身はとても美味しく、「ヒラの味、小骨がなければ献上魚」とまで言われるほど。
一方で、香川県さぬき市志度などでも漁獲されているものの、地元消費は少なく、大半は岡山に出荷されているそうです。
地元でも「あんまり知られてないけど実は美味しい」系の魚ですね!!
「見たことない魚」と出会ったときのワクワク感は、やっぱり市場ならでは。
調べれば調べるほど面白い歴史や、地域ごとの食文化が見えてくるのもまた楽しい。