魚市場ブログ
透明な魚、ノレソレ
2025年05月31日
市場を歩いていると、春になるたびに見かけるのが「ノレソレ」。
半透明のなにか…。最初に見たときは、え、これ食べるの?って正直思いました。
でも気になって、つい毎年のように立ち止まって見てしまう存在。見た目はまるで、つるんとした細長いクラゲ。
実はこれ、アナゴの赤ちゃんなんだそうです。
しかも「ノレソレ」っていうのは通称で、正式な名前は“レプトケファルス”。
なんか一気に理科の授業っぽくなりますが、ギリシャ語で「細長い頭」って意味らしい。たしかに見た目はまさにそんな感じ。
日本では高知や瀬戸内、九州あたりでよく獲れて、春先に旬を迎える海の幸。市場では小さなパックに入って売られていて、
よく見かけるのに、まだ食べたことはありません。
「ポン酢で食べたら美味しいよ」「卵黄と一緒にご飯にのせてもうまい」とか、
いろんな声は聞くけれど、なんとなく“未知”のまま毎年見送ってる。
ちなみに、韓国でもノレソレは人気のある食材で、「チャンオノレゲ(장어노래게)」と呼ばれてるそうです。
こちらでは酢味噌和えが定番なんだとか。
お国は違えど、食べ方はけっこう似てるのがおもしろい。
見た目のインパクトはかなり強いけど、味は意外とあっさりしていてクセがないらしく、
のどごしを楽しむ“春の風物詩”らしいです。
あー、なんで今まで食べなかったんだろう…って、今年もまた思う。
来年こそ、ポン酢と卵黄を用意して、ノレソレ丼に挑戦してみよう。
ちょっとだけ大人の味覚に近づける気がして、今から楽しみ。